NHK番組「クローズアップ現代」を観て、
やるせなく、もどかしく、そして、腹立たしい思いになりました。
「雇用の劣化」についてです。
軽井沢で起きたバス事故、
介護施設で起きた利用者投げ落とし事件、
そのいずれも、とどのつまり「雇用の劣化」と言えるでしょう。
この番組では、公立保育園が民間に移管したことによる
保育士の雇用(=解雇)と処遇(=給与改悪)が報じられていました。
これは、保育の質、言い換えれぱ、園児の心身を直撃した深刻さでした。
建設業にも如実に現れてきているとも報じられました。
このこともまた、建設物の安全性を直撃することでした。
公共工事の入札における「公契約条例」の必要性についての言及は救いでした。
*「公契約条例」とは、工事を請け負った業者が、従業員の賃金を
ひたすら下げることのないようにするための条例です。
従って、行政はムリに低価格で落札しなくても済みます。
相応の財政負担となりますが、相応の安全性を担保します。
閑話休題。
「雇用の劣化」が進行するとどうなるか。
つまり、保育現場で、人材が育たない、
建設現場で、技能承継が出来ていかない、に止まらず、
低賃金ゆえ、若年層が結婚・出産をためらうことになります。
この結果、少子化が進み、日本社会の体力が落ちます。
ですから、自治体(=行政)自らが、規制緩和に走ることは、
ここんところに、大きな落とし穴があることを、決して忘れてはなりません。