「言うたやろ!」あるいは
「言うてたやろ!」というお叱りが
ご相談を受けた相手の方から、たまに、あります。
承ったご用件の返事を申し上げに行った場面でのお叱りです。
このお叱りは、
「オレの話を抜かりなく聞いてたんか!」あるいは
「オレの話をいい加減に聞いたやろ!」という意味です。
このお叱りに対して、
「そんなことは、決してありません」と言いたいところですが、
相手の方が、そう受け止められてしまっている状況では、
相手の方にとっては、その場逃れでしかありません。
……常々、
「自分の答えを用意して、人の話を聴くな」
このことを、自身に言い聞かせているつもりですが
「つもりでしかなかった」ことを突きつけられるわけです。
私の方でも、
「あっ、コイツ、オレの話を半分も聞いていないな」と
会話をしながら思う時があるくらいですから、
私が、お叱りを受けた方を責めるのは、
不遜というものなのでしょう。
会話には、
その言葉に至るまでの経緯や
その言葉に込めた思いや願いが
その背景にいっぱい詰まっているわけで、
相手の言葉を、
自分の経験則や自分の解釈で理解していることを
それこそ、たまに、
相手の方のお怒りで
気づき、そして、戒めることになります。