耐震化……

2016年05月02日

熊本地震で「住宅の耐震化」がクローズアップされています。
震度7の地震が同じ場所を立て続けに2回襲うという
特異な今回の地震でしたが、
古い住宅だけでなく、
1981(昭和58)年以降の「新耐震基準」を満たした家屋でも、
被害が続出したことによります。

「新耐震基準」と言っても、
その後、すぐに建てられた物件は、
築後すでに30年以上経過しているわけで、
その老朽化・劣化は否めません。

また、個人住宅の耐震改修に、
県・市町は補助金を用意していますが、
自己負担分の資金が捻出できない世帯が多くあります。
年金頼みの高齢者世帯などです。

加えて、こうした個人住宅は、
古くから軒を連ねて蜜集している場合が多く、
住宅地の道路を拡幅することが望ましくても、
移転・改築の補助金でもって、
耐震化以上の自己負担を強いることになるなら、
行政が望むようには、おいそれといかないでしょう。

個々人の経済事情に支障があるのなら、
もっと安価にできる耐震構造の開発に力を注ぐべきですし、
すでに、いろんな研究が進んでいるとも聞いています。
実現性の高い施策を追求していきたいと考えています。

そもそも、起こるか起こらないか、
分からぬこと(地震とかです)に備えるために、
人は、そのための支出を渋るものです。
私もその一人ではあります。

一方、いくら耐震化を進めたとしても、
熊本地震では、造成地や川の近くで、
地盤そのものが崩れて、
建屋が傾いたなどの被害が出たことに照らすと、
住宅政策を抜本的に見直す必要があります。

「耐震化……」
対策は急務ですが、悩ましいモンダイです。

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