生活不活発病

2016年04月23日

「生活不活発病」に注意
専門家指摘「避難中、心身に衰え」
……朝日新聞(4/21)の見出しが目に留まりました。

災害で自宅が倒壊して避難所に移ったり、
自宅が無事でも家の内外で物が散乱して、
それまでの生活が一変すると、
家庭や地域での役割のほか、
生きがいを失い、
「すること」や外出先がなくなって、
活動量が減ってしまう。

その結果、
足腰が弱って心肺機能が悪化し、
食慾不振や便秘のほか、
認知症やうつ病のような状態になるなどして、
徐々に全身の心身機能が低下してしまうのが、
「生活不活発病」なのだそうです。

災害時は「休んでいていいよ」と周囲から言われ、
高齢者自身も「迷惑をかけないように」との遠慮もし、
自分から動かなくなってしまう傾向があり、
この病気、「生活不活発病」のリスクが高まるという。

安全に配慮しつつ、
片付けや子守りなど、
お年寄りもできる範囲で作業に加わってもらったり、
杖や手押し車などを用意したりして、
周囲がかかわり方を工夫して、
お年寄りの生活が活動的になるようにしてほしい。
と、この記事は結ばれている。

この「生活不活発病」、
被災地の高齢者に限った話ではありません。
ひとり暮らしの高齢者が浮かびます。
外出を控える(控えるように言われる)高齢者も浮かびます。

「私は必要とされている」という実感、
このことが、生きていくには欠かせないと、
この頃、より強く思うようになってきた時に、
この「生活不活発病」の記事でした。

「生活不活発病」のモンダイは、
その人自身のモンダイだけではなく、
周りの人の認識やかかわりのモンダイだと思います。
災害が引き起こす病であるととももに、
現代社会が引き起こす病でもあると思います。
この「生活不活発病」という病。

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