特殊詐欺の向こう側

2015年06月13日

高齢者の生きる希望を無惨に打ち砕く「特殊詐欺」。
その背景に、家庭にも社会にも居場所がない子どもたちがいる?!
高齢者に牙を剥く「子どもの貧困」を示したのは『老人喰らい』の著者、鈴木大介氏。
以下、抜粋です。

「20代を中心とする現場プレイヤー(被害者に直接電話をかける架電要員=カケ子)
に共通する証言……詐欺でターゲットとする高齢者が『何でこんなにも払える金を
持っているんだろう』と驚愕したという経験だ」

「その驚きはそのまま、詐欺組織側がプレイヤーに行う『ふんだんに金を持っている
高齢者から多少の金を奪うことは最悪の犯罪ではない』という洗脳教育の正当化につながり、
彼らは、罪悪感どころか、半ば義侠心をもって詐欺に加担すれようになる」

「痛感するのは、まず子どもの貧困が今に始まったことではなく、それを見過ごし、
放置し続けた結果が、この世代間対立構図なのではないか、ということだ。
……当時から今日まで『日本に子どもの貧困なんてあるの?』という声は絶えない」

「詐欺の現場で「働く」若者たちは、総じて優秀で、正常な教育と環境が与えられれば、
社会に大きはく貢献できたであろう者が多い。
年間550億円という特殊詐欺犯罪の被害額よりも、
これからの人材を一般社会の生産に行かせなかった損失は、それ以上に大きいのではないか」

以上、抜粋でした。
川崎市や刈谷市における少年殺害事件を起こした加害少年たちの背景にも、
このような加害少年の生い立ちや境遇がありはしないか、見極めねばなりません。

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