熊沢蕃山

2014年04月14日

「知行合一」……これは、中江藤樹の実学です。
ここには、藤樹の弟子、熊沢蕃山について綴ります。
蕃山22歳、父が浪人し、貧乏のどん底に陥りました。
母のなぐさめに、蕃山は、こう答えました。
「いえ、母上、私は藤樹先生から伺いましたが、
机にかじりついて、本をいじくり回していることが修行ではなくて、
貧乏で悩むことも、困難に陥ることも、災厄に出逢うことも、みな修行である。
それによって、心に工夫をしなければならないと教えていただきました。
私は、貧乏をなんとも思ってはおりません」
蕃山27歳、備前の池田光政に召し抱えられることになりました。
家を出る時、こんな歌をつくりました。
「憂(う)きことの 猶(なお)この上に積もれかし 限りある身の力ためさん」
その後、下総の古河に禁錮されて世を終わった熊沢蕃山、
終始、不平不満らしいことは一切言わず、
この歌に表現したままの気構えを貫いたということです。
「知行合一」……滋賀県輩出の中江藤樹を誇りにしたいと思います。
それと同じくらい、
「知行合一」を生き方で示した熊沢蕃山という人物が
私の中に生きていることを、誇りにしていきたいと思います。

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