この1月16日、その建設をめぐり曲折が続いていた
「丹生ダム」(長浜市余呉町:高時川源流部)の
計画の中止が事実上決まった。
水没予定地住民の集団移転完了後の『ダム事業中止』は、極めて異例のこと。
関係住民の心中を慮るに余りある。
……ダムに代わる河川改修、
……ダム計画とセットで謳われた地域振興、
……放棄!?された付設道路と森林整備の今後、
『ダム事業中止』によって、舵を大きく切らねばならない。
計画当初(1968年)から今日に至る間、
治水・利水・渇水をめぐる状況が大きく変わったとは言え、
何よりもまず、国には、
計画を立て、本体工事の直前まで事業を進めてきた当事者として、
その責任・償いを明らかにしてもらわねばならぬ。
……先日、地元関係者から、こんな話を聴いた(大橋が要約)。
……「森づくりの失敗が、そもそもにある。
広葉樹をもっと計画的に残し、造林すれば、
山の貯水能力は、今ほどに低下してなかったはず。
治水をダムに頼らなくても、山が治水の役割を担ってくれたはず。
今からでもいい。時間がかかってもいい。
山をもう一度育てよう。」
心に染みるお話でした。