たとえ

2014年04月22日

素晴らしい〈たとえ〉に出会うと、
僕は、それだけで、シアワセいっぱいになります。
朝日新聞の『天声人語』(4月15日)に、
次の行(くだり)を見つけた時は、しばし、その世界に吸い込まれました。
「フランスの作家ルナール……『博物誌』(岸田國士訳)を開いてみた。
……今の季節なら「蝶」が名高い。
〈二つ折りの恋文が、花の番地を捜している〉……」
いいでしょ!
さて、
中日新聞の『中日春秋』(4月23日)*大橋が要約
の〈たとえ〉も、実にシャープでありました。
「米大統領らとプレーしたことがあるボブ・ホープは、
『大統領がバンカーでどう行動するかということが、一大事が起きて
どう反応するかということの案外正確な目安になる』と言ったそうだ。
『大統領のゴルフ』という本にによると、
例えば、イラク戦争に突き進んだブッシュ氏は、前方に池があろうと、
刻まずに攻めては悲惨な結末に終わることが多いそうだ。
きょう来日するオバマ氏も大変なゴルフ好きだ。
かの国の首脳(=オバマ)は、グリーン上で自分のボールが
どれだけカップから離れていても、『OK』にしてもらえることに慣れているという。
TTPでの安易な『OK』は、御免こうむる 」と。
時事問題も、こういう〈雑学〉を挿入して、
つまり、〈たとえ〉でもって、切ってみたいと思います。
そこに、その人間を浮き彫りにして、考えてみたいと思います。
的確な〈たとえ〉は、それだけで、真実に迫ることができると思います。

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