思い当たることがありました。
10日ほど前のことです。
年格好20才代後半の代行運転の青年と
30分ほどの、2人だけの時間を共にしました。
なにせ、そこは代行運転の車中。
話をするしかない状況。
で、話は、何と、
安倍首相の靖国神社参拝、籾井NHK会長の従軍慰安婦発言に
及んだのでした。
その青年、饒舌でした。
アメリカのご機嫌をうかがってきた民主党!と、
それはもう、こきおろしました。
私が民主党議員と名乗ったからでしょう。
それはもう、心に火がついたような口調でした。
中国や韓国は、ちょかっている!
日本の威信を示すには、(安倍・籾井発言では)まだ足りない!
と、まあ、こんな感じでした。
私は、私の考える外交の基本姿勢を添え、切り返しましたが、
その青年の〈脳の回路〉に入っていかないことだけは、確認できました。
そうこうしてる内に、わが家に到着。
後味が悪い、というより、
お互い(その青年と私)、自身の言いたいことだけ言った、
という30分ほどの時間が過ぎた
10日ほど前の出来事でした、という思い出です。
さて、今朝の「朝日新聞」の「『反知性主義』への警鐘」という見出しが
私の目に留まりました。
反射的に、前述のあの日のことが思い起こされ、
一気に読みました。(*関心というのは、こんなものなんですね)
……元外務省主任分析官で作家の佐藤優の言葉
「実証法や客観性を軽んじ、自分が理解したいように世界を理解する態度」
……この記事の執筆者の解説
「新しい知見や他者との関係性を直視しながら、自身と世界を直視していく作業を拒み、
『自分に都合のよい物語』の中に閉じこもる姿勢だ」
続けて「異なる意見を持つ他者との公共的会話を軽視し、独りよがりな決断を重視する
姿勢こそがそこにある……聞く側の受け止め方に問題があるとしか認識できない」
……なぜ『反知性主義』が今、台頭してきたのか?!社会学者の竹内洋の言葉
「橋下市長は学者たちを『本を読んでいるだけの、現場を知らない役立たず』と
口汚くののしった。ヘイトスピーチだったと思うが、有権者にはアピールした……
大衆社会が進み、ポピュリズムが広がってきたためだろう。ポピュリズムの政治とは、
大衆の感情を煽るものだからだ」
……あの青年に違和感を感じ、指弾したくなっている私にとって、
一定の整理がついた新用語『反知性主義』でありました。